準備運動 - アイデアを出す
このブログの一番最初にかいた通り、いいアイデアを出す唯一の方法は、いつもアイデアを出すことを意識することだ。
しっかりはたらいているときは、「もっといいアイデアはないか」と自問しよう。
怠けているときは、「これも将来、いいアイデアを出すのに役に立つ」と積極的に肯定しよう。
なぜなら、その思考が、実現を助けるからだ。
外気に触れる
- 散歩する
- 旅行にいく
- 美術館に行く
なんとなく頭の気分転換になる。取り組んでいる対象を外から客観的に眺めることができる。アイデアのヒントを探しにいく。歩くことは脳にいい。いろいろ理由はあるだろうが、とにかくアイデアを出すには不可欠である。
のどが渇くと水を欲するように、アイデアが渇くと自然と体が欲する。そういうたぐいの行動である。
場所を変えて仕事をする
- 合宿をする
どこかの温泉地にいって、泊まりがけで作品を仕上げるというのは、むかしからよく作家がやっている。
旅行にいくのと仕事をするのは分けたいと思っていたが、実際に旅行にいきそこで仕事としてみると意外とはかどるので自分でも驚く。
アイデアの源泉 - 自慢欲
物作りやメディアに携わる人で、自分の作品を人に見せ、驚かせ、すごいと言わせることを楽しみにしている人がいる。
彼らにとっては、自慢欲こそ、アイデアの源泉である。名誉欲、もしくは虚栄心といってもいい。
自分のその一人である。
物をつくって心が満たせるのは文字通り幸せな生き方だ。なぜなら、分身である「モノ」こそ主張するものの、自分自身は人前にはあまり出ないのだから、謙虚な態度として歓迎され、直接他人に迷惑をかけることもほとんどない。
物作りに関わる人は多かれ少なかれこう考えている人は多いのではないかと思う。
アイデアの源泉 - 面倒くさがり
私の恩師のM氏は、「必要は発明の母というが、実際は面倒くさいというのが発明のもとだ」とよく言っている。たとえば、歩くのが面倒だ->車の発明。背中を掻くのが面倒だ->孫の手。といった具合である。
「面倒くさい」も不満の一種とも考えられる。
しかし、面倒かどうかは、もっと感覚的な問題であり、感じる人と感じない人がいる。几帳面な人で、生活の様々なことが苦にならない人は感じない。それに「面倒くさがり」というのは社会的に一般的に負のイメージがある。面倒くさがりな人は、偉大な発明の邁進のために汗することはなさそうだ。
実際にはどうなのだろうか。
ちなみに私はかなりの面倒くさがりだと思う。
面倒くさがりでも、その面倒の解決のために集中力が維持できれば、いいアイデアを出し、それを実現することが可能である。
言い換えれば、エンジンがかかるのは遅いが、いったんかかるとよく持続するということである。こういう性格なので、「初動」の負担をどうやって軽減するかよく考えている。
アイデアの源泉 - アイデアとは?
「アイデアをどうやってだすか」とよく聞かれる。
答えは、たぶん「アイデアを出すこと自体」に興味があり、いつもそれについて考えてきた、ということだ。
いまはアイデアを出す職業に就いているので、いいアイデアを出すことを日々の日課としているが、それよりもずっと前、高校在籍中に紙copiをつくっていた頃からさまざまなことを工夫してきた。
もっと言えば、小学生のころ、弓矢や竹笛やわらじなんかを試行錯誤をくりかえしながら作っていたときから、アイデアを出すときの「思考」はすでに形作られていた。
アイデアとは?
「1%のひらめき、99%の努力」 by Edison
99%の努力を具体的にどうすればいいのかは教えてくれないが、とにかくアイデアを出すための努力を肯定してくれる力強い言葉。
アイデアを出すには、長い時間をアイデアを出すための思考や活動にあてなければいけないと思う。ハイリスク・ハイリターン、つまり多くの投資(主に時間)が必要で、見返りの可能性は少ない仕事であって、現実主義的なきらいのある人はむかない、と思う。
「Connecting Things」 by Steve Jobs
既存のものをつなげることが新しいアイデアである。アイデアはまったく新しいものではない、と一刀両断したJobs氏に拍手。なるべく離れた分野のもの同士をくっつけることができればそれはより先端的なアイデアとなる。
「枯れた技術の水平思考」by 横井軍平
この人もJobsと似たようなことを言っている。水平思考は「Connecting Things」とほぼ似たような考えである。しかし、他の分野の技術をほかに応用することを「横向き」であると空間的な概念を与えたことは興味深い。横向きというのは、まっすぐでなく、ひねくれているという感じを連想させるがそこが個人的に気に入っている。
「枯れた技術」を使うと、商品化にあたって、安く、安定した製品を多くの顧客に提供することが可能になる。最初からそのような「商品」を意識してアイデアを出す場合には非常に有効な考えだと思う。